日時:
2021年9月30日(木)12:00 – 12:30
概要:
心エコー法は心不全患者の診療において最も重要な検査法です。一方で、抗がん剤による心臓への副作用が近年大きな問題となっており、抗がん剤投与患者では心エコーによる心機能測定が実施され、各種ガイドラインも制定されています。さらに、一見心疾患とは無縁の疾患でも、心エコー測定が行われています。例えば、Duchenne型筋ジストロフィーでは、人工呼吸療法の進歩により呼吸不全による死亡は改善していますが、心不全による死亡の割合が増加し、心エコーによる測定が行われています。このように臨床では、様々な面から心エコー測定の需要が非常に高まっており、非臨床の現場でも臨床へのトランスレーションを考える上で、心エコー測定は必要不可欠となりつつあります。
臨床と比較して非臨床の現場では導入が遅れていた心エコー測定であるが、2020年に小動物の心エコー評価ガイドラインが提唱され計測技術の標準化が進み始めました。しかし、心エコーは撮像にコツを要し、複数の評価項目を総合的に判断する知識と経験が必要です。本セミナーでは、小動物専用Echo装置を用いた心機能評価結果について実例を示しながら解説します。また、3DEchoを用いた大動物の心機能評価法についても紹介し、臨床試験への橋渡しの可能性について議論します。