【開催日時】2024年2月28日(水)12:00-12:30
【概要】
肥満症は高血圧症、糖尿病など生活習慣病の様々な疾患に関与する疾患である。肥満症治療薬の創薬研究はこれまでも行われていたが、その安全性懸念から有効な薬剤はなかった。しかしながら近年、糖尿病薬として使用されていたGLP-1受容体作動薬が摂食と体重抑制作用を示して、肥満症でも承認された。本薬剤がブロックバスターへの期待に加えて、製薬業界に留まらず様々な業界を巻き込んで大きな話題となっているのは周知のところである。また、昨年、GLP-1受容体作動薬のセマグルチドが第三相試験で心血管リスク低減を示した成績が報告された。これは、肥満症が単なる生活習慣病のリスク因子であるだけではなく、治療すべき新しい疾患カテゴリーであることを示すエポックメーキングな結果である。2030年までに1000億ドルと言われている肥満症市場で、さらなる新薬開発はどうなっていくのか非常に興味深い。本セミナーでは肥満症研究の歴史や現在上市・開発されている薬剤の紹介、さらなる創薬の可能性について紹介したい。
【開催形式】Zoomウェビナー
仁尾 泰徳 Pharmacology BU Pharmacology Kidney/Liver Disease Director
2002年、京都大学薬学部生命薬学科修士課程修了後、武田薬品工業創薬研究所入社。糖尿病薬、末梢性・中枢性抗肥満薬の薬理研究に従事。東京大学医学部糖尿病代謝内科にて医学博士取得。帰社後、非アルコール性肝障害、糖尿病性腎症治療薬を担当,低分子化合物を用いてINDを達成。2017年より再生医療研究に従事。iPS細胞、オルガノイドを用いたNASH, 稀少肝・腎疾患を担当。その後他社にてiPS細胞・間葉系幹細胞の細胞移植医療研究について基礎研究とCMCを担当。2023年12月Axcelead入社。肝臓・腎臓・肥満研究について創薬研究経験を活用し、カスタマーの創薬研究をサポートしていきます。