日時:8月22日(火) 12:00-12:30
セミナー概要:
ヒト生体に近い疾患モデルを用いてスクリーニングできる表現型ベース創薬は、臨床での薬効発現が期待できる一方、標的や作用機序に関する分子的裏付けが乏しいという課題があります。この解決ツールとして、光親和性標識等に基づく、コバレントプローブを用いたケミカルプロテオミクスは、表現型ベース創薬の分子的裏付けを強力に推し進めます。一方で、プローブ合成に時間が掛かる事が課題として残っています。本セミナーでは、プローブ合成を必要としない、コバレント化合物ライブラリーからのケミカルプロテオミクスによる研究期間の短縮を提案します。スクリーニングヒットがあった場合、これら化合物は、そのままプローブとして利用可能であり、スクリーニング開始からケミカルプロテオミクス終了までに要する期間、約8ヵ月を、半分に短縮できます。本発表では、これらコバレント化合物ライブラリーを用いた標的探索のためのプロテオミクス法、およびモデル化合物を用いたコンセプト検証例についてご紹介いたします。
演者紹介
林 浩三 統合トランスレーショナル研究
1990年、大阪大学薬学部製薬化学科修士課程修了後、武田薬品工業発酵生産物研究所入社。天然物化学、オーファンGPCRのリガンド探索を担当。2002年、プロテオミクス草創期から社内プロテオミクスプラットフォームを立ち上げ、同技術を応用した、アフィニティー精製による薬剤標的タンパク質の探索、患者iPS細胞の表現型解析等を担当。2017年、Axcelead Drug Discovery Partnersへ転籍。長年をかけて蓄積してきた、プロテオミクス技術、創薬研究応用経験、専門知識を活用し、分子標的を含む作用機序やバイオマーカー探索を通じた、お客様の創薬研究をサポートしています。