がん細胞を原発部位で増殖させる 『同所性移植モデル』 で
新たな知見の獲得をお手伝いします!
がん細胞 (seed: 種) は適切な環境 (soil: 土壌) でのみ腫瘍を形成できることが「Seed and Soil仮説」として1889年にDr . Stephen Pagetにより提唱されました。以来、がん細胞の増殖にはこれを取りまく微小環境が極めて重要であることが報告されております。従来のがん細胞を用いたin vivo評価では皮下移植モデルが広く用いられていますが、がん細胞を原発臓器に移植する『同所性移植モデル』は、がん細胞が本来持つ特性をより反映したモデルとして注目されています。
Seed : tumor cells
Soil : stromal cells, immune cells, vascular endothelial cells etc.
皮下移植モデルに比べ高度な移植スキルを要する同所性移植モデルですが、Axceleadでは、卓越した技術によるモデル構築、特殊な測定機器(X線CT装置、エコー装置、IVIS等)を使って非侵襲的な観察、評価が可能です!
下記にご紹介する脳腫瘍モデル、卵巣がんモデルはもとより、肺がんを含めたその他の同所性移植モデルにつきましてもモデル作製検討から承ります。
X線CT撮影を用いた脳同所性移植モデルの薬効評価
- Axceleadでは複数の細胞株の脳同所性移植モデルを樹立しております。既存のモデルを用いた試験系のご提案、もしくはお客様のご要望に添った新規細胞株のモデル検討もサポートいたします。
- 脳同所性移植モデルによる評価系では実験動物用X線CT撮影装置を使用し、腫瘍の増殖初期段階から生着の確認が可能です。また、経時的に腫瘍体積を計測することにより皮下移植モデルと同様の薬効評価も実施することができます。
エコー撮影を用いた卵巣同所性移植モデルの腫瘍増殖評価
- Axceleadでは、卵巣がん細胞を経卵管移植することにより卵巣がんモデルを作製しています。細胞株、移植細胞数等、ご要望に合わせてモデル検討を実施いたします。
- 小動物イメージングシステムを使用してエコー画像を撮影し、生着の確認、経時的な腫瘍体積計測が可能です。作製した卵巣同所性移植モデルを用いた薬効試験デザインについてご提案、ご相談も承ります。
「がん細胞が本来持つ特性をより反映した同所性移植モデルを活用して、
お客様のニーズに合わせて、新しい評価系の構築から評価まで
フレキシブルに対応したサービスをご提供」
1.宿主環境を考慮した移植モデルを用いた評価
同所性に移植された腫瘍では臓器特異的な腫瘍微小環境が構築され、構成する多様な細胞間の相互作用を評価することが可能です。特に、同種移植マウスモデル(syngeneic model)では免疫細胞を含めた評価が可能です。
- 腫瘍浸潤免疫細胞のフローサイトメトリーによる解析・評価
- 腫瘍微小環境を構成する細胞を標的とした薬剤評価
2.転移がんの発生過程の解析および薬効評価
腫瘍と転移先を含む周辺組織との相互作用を反映した同所移植性モデルでは、皮下移植モデルとは異なる転移巣形成までの過程を評価することが可能です。
- 転移標的臓器への移植による薬剤評価
- ヒト疾患に近い環境での転移過程を評価
3.薬物動態を反映した評価
がん細胞、間質細胞、免疫細胞および血管やリンパ管の脈管系などの多種多様な細胞、さらに、多様な細胞外マトリクスから構成されているがん微小環境が、抗がん剤に対する耐性獲得にも関与していることが知られており、原発巣に特徴的な薬物動態を反映した評価が可能です。
- がん発生臓器におけるPK/PD評価
- 血液脳関門を介した薬効評価 (脳同所性移植モデル)
4.新規モデルでの評価
脳組織への直接的な同所移植にとどまらず、ヒト疾患における転移を含めた血行移行性移植モデル(頸動脈移植モデル)など新しい評価モデルの構築に取り組んでおり、お客様のニーズに合わせて評価系の構築から評価までフレキシブルに対応したサービスの提供が可能です。