2020年8月25日

統合トランスレーショナル研究部門 高砂主席研究員が心臓チームリーダーとして活動に貢献したCSAHiの活動報告がCurrent Pharmaceutical Biotechnology誌に掲載されました。

『Comprehensive Cardiac Safety Assessment using hiPS-cardiomyocytes (Consortium for Safety Assessment using Human iPS Cells: CSAHi)』
Author(s): Kiyoshi Takasuna(a), Katsuyuki Kazusa(b), Tomohiro Hayakawa(c)

a:Axcelead Drug Discovery Partners株式会社
b:アステラス製薬株式会社
c:ソニー株式会社(現所属:シスメックス株式会社)

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2013年から2018年にかけてのCSAHiの活動を報告したCurrent Pharmaceutical Biotechnology誌 総説特集号(Volume 21, Number 9,2020)に、高砂主席研究員が心臓チームの代表として活動内容を報告しています。

論文の要旨:

2013年、日本製薬工業協会タスクフォースの傘下に、現在ICHガイドラインで制定されている心臓安全性評価試験(hERG, APD, テレメトリー)を補完すべく、ヒトiPS/ES細胞由来分化(心筋)細胞の創薬安全性評価応用コンソーシアム(CSAHi; http://csahi.org/en/)が組織された。CSAHi 心臓チームは、マルチ電極アレイ(MEA)、細胞インピーダンス、モーションフィールドイメージング(MFI)、Caトランジェントの光学イメージングなど最新の様々な心機能評価機器を駆使し、hiPS心筋細胞を用いた新規Platforms の創薬安全性評価への応用可能性について検証した。その結果、hiPS-心筋細胞は、薬物誘発性QT延長リスク/不整脈予測には既存評価系を凌駕する資質が確認されたが、不整脈誘発活性の過大評価(偽陽性)、QT延長以外の機序による不整脈あるいは陽性変力作用予測能力は十分でないことが示唆されたため、hiPS心筋細胞を用いた各種プラットフォームは、その長所と短所を十分に理解したうえで使用することを提唱した。

CSAHi:Consortium for Safety Assessment using Human iPS Cells について

「ヒトiPS細胞由来分化心筋・肝臓・神経細胞を用いた各種安全性評価技術について、新規医薬品開発への応用可能性を実験的に検証し、将来的展望も含め実用に向け世の中に提言する」を活動目的に、2013年7月に発足。2020年8月現在、製薬企業15社、安研協加盟4社を含む57社・機関が活動に参加。http://csahi.org/
高砂主席研究員は、発足当時から心臓チームリーダーとして活動に貢献しています。

高砂 浄 統合トランスレーショナル研究  主席研究員

1983年金沢大学薬学部薬学研究科修了後、第一製薬株式会社、第一三共株式会社、第一三共RDノバーレにてin vivo安全性薬理及び、in vitro安全性研究に従事。
2019年3月より現職。
CSAHi(Consortium for Safety Assessment using Human iPS Cells)にてhiPS由来心筋細胞を使った安全性研究チームリーダー。
趣味:映画鑑賞(韓国ドラマ含)、旅行(星野リゾート制覇が夢)、海船釣り(ルアー収集)

高砂浄 統合トランスレーショナル研究  主席研究員