2023年11月22日

Axcelead DDP、東京大学との共同研究の成果が国際科学誌「Nature Communications」に掲載

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 Axcelead Drug Discovery Partners株式会社(本社:神奈川県藤沢市、代表取締役社長:山田 伸彦、以下、Axcelead DDP)は、東京大学大学院薬学系研究科 林久允准教授らの研究チームと実施した共同研究によって必須栄養素コリンの吸収経路を発見し、その研究成果が2023年11月21日に発刊された国際科学誌「Nature Communications」に掲載されましたのでお知らせします。

 林久允准教授らの研究チームは、こどもの肝臓病の克服を目指した研究1)を進めています。その中の一つ、進行性家族性肝内胆汁うっ滞症1型(PFIC1)は、原因遺伝子が見つかっているものの、病気の発症メカニズムが不明であり、根本的な治療法がない希少疾患です。このメカニズムを解明するために、Axcelead DDPにおいて、林久允准教授らの研究チームが作製した疾患モデル動物およびPFIC1患者のサンプルの脂質分子を含むメタボローム解析2)を実施しました。その結果、PFIC1は、患者体内で必須栄養素コリンの前駆体、リゾフォスファチジルコリンの吸収不良、次いで、コリン自体の欠乏が生じ、病気の発症へと至る可能性を見出しました。さらに、東京大学研究チームは、疾患モデル動物へ経口でコリンを補充する事により、肝臓の症状が消える事を確認しました。本成果より、コリン補充が臨床での治療に繋がる可能性が見出されました。現在、東京大学研究チームが早期に臨床試験を開始できるようAxcelead DDPがその準備を支援しています。

 Axcelead DDPのCSO 伊井 雅幸は、「東京大学との共同研究を通じてPFIC1に対する新たな内科的治療法の開発につながる成果が得られたことを大変嬉しく思います。本成果にはAxcelead DDPがこれまでの創薬研究で培ってきた疾患メカニズムの解析技術が寄与したものと考えています。引き続き、Axcelead DDPが保有する100以上の新薬臨床試験開始申請(IND申請)の知見を活かして、一日も早く患者さんに新しい治療法をお届けできるよう東京大学研究チームをサポートしてまいります」と述べています。

研究内容の詳細については、東京大学のニュースリリースをご参照ください。
https://www.u-tokyo.ac.jp/content/400226852.pdf


1) 小児期発症の胆汁うっ滞性肝疾患を対象とした多施設前向きレジストリ研究です。小児期に発症する胆汁うっ滞性肝疾患に関する情報を様々な研究機関・医療機関と連携して収集し、治療・研究に役立てています。
詳細は、ホームページ参照(https://www.circle-registry.org/

2) メタボローム解析:メタボロームは代謝物(metabolite)とギリシャ語の「全て」を意味するomeを合成した言葉で「代謝物の総体」を意味します。メタボローム解析は、生体サンプル内の代謝物を網羅的に解析する手法です。

以上

【Axcelead DDPについて】
Axcelead DDPは、2017年7月に武田薬品工業株式会社の創薬プラットフォーム事業を継承して事業を開始した国内初の創薬ソリューションプロバイダーです。創薬に必要なほぼ全ての機能を有し、創薬ターゲットの探索から医薬品候補化合物の最適化、さらには臨床開発への橋渡しプロセスまでの非臨床創薬研究サービスをワンストップで提供しています。https://www.axcelead.com/