Construction and Functional Evaluation of a Three-Dimensional Blood–Brain Barrier Model Equipped With Human Induced Pluripotent Stem Cell-Derived Brain Microvascular Endothelial Cells
2022年4月
https://doi.org/10.1038/s41598-021-00820-7
論文の概要:
帝京大学薬学部薬学薬学動態研究室の出口芳春 教授・手賀悠真 元助教・黒澤俊樹 助教と共同でOrgan-on-a-chip上に血液脳関門(BBB)を搭載した3次元BBB-on-a-chipを開発しました。BBBのモデル細胞であるヒトiPS細胞由来脳毛細血管内皮細胞はOrgan-on-a-chip上で血流を模倣したShear stressを与えられたことで毛細血管様の3次元構造を形成しました。タイトジャンクションの形成が示唆されただけでなく、トランスポーターの機能的な発現も認められ、化合物の移行性も評価できることを明らかにしました。ヒト中枢移行性の予測において有用なハイスループット評価ツールになり得ると期待されています。
このOrgan-on-a-chipはmicrophysiological systems(マイクロ流体デバイス)とも呼ばれ、様々な臓器モデルや疾患モデルの開発に適用が可能であり、創薬のあらゆるプラットフォームで期待されています。
関連情報:
(右)冨原 裕美 統合トランスレーショナル研究 主任研究員
名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程前期修了後、協和キリン株式会社を経て、2019年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社に入社。低分子や核酸の動態評価に従事。
(左)出堀 泰之 統合トランスレーショナル研究 主任研究員
2010年武田薬品工業に入社。化合物のスクリーニング業務に従事。2015年より薬物動態部門での業務に従事。2017年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社設立時に武田薬品工業から転籍。現在、トランスポーターのスクリーニング業務の他に新規化合物評価系の構築にも従事。