2024年11月15~19日の5日間、サンディエゴで開催されるAASLD The Liver Meeting 2024にてPharmacology BUの松本研究員がポスター発表をします。本学会への参加を予定されている方は、是非発表をご覧ください。
【学会概要】
AASLD The Liver Meeting 2024
【口頭発表】
日時:2024年11月15日(金)~19日(火)
場所: San Diego, California
タイトル:「Comprehensive profiles of the microbiome and metabolome within the gut-liver axis in Western diet-fed MC4R knockout mice.」
【発表概要】
代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の病態形成には、臓器間ネットワーク、特に腸-肝軸ネットワークが関与することが知られています。しかし、その全体像については未だ十分に解明されていません。本研究では、肥満およびインスリン抵抗性を有するヒトMASH病態を模倣したモデルマウスを作製し、大腸内容物、小腸内容物、血漿、肝臓における代謝物および腸内細菌の網羅的解析を行いました。その結果、肝臓で顕著な変動が認められたグリセロ脂質、グリセロリン脂質、及び胆汁酸が、(1)小腸内容物中の脂肪アシルなどの代謝物と相関を示し、それらがS24-7科およびAllobaculum属の菌と相関すること(2)大腸内容物中のグリセロリン脂質などの代謝物と相関を示し、それらがBacteroides属、Allobaculum属、およびDesulfovibrionaceae科の菌と相関することが確認されました。上記代謝物および菌は、表現型マーカーとも相関しており、腸-肝軸ネットワークにおける新たな代謝調節機構の解明に寄与することが考えられます。本研究の結果が、今後の臨床研究におけるバイオマーカーまたは治療標的として活用されることを期待します。
【Axcelead DDPのソリューション】
Axceleadは、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)の臨床症状である肥満を呈する高脂肪食を負荷したメラノコルチン4型受容体(MC4R)欠損モデルマウスを有しています。また、ユニークなメタボロミクスプラットフォームも有していることから、親水性代謝物から疎水性代謝物(リピドミクス)のあらゆる種類の代謝物の測定および結果解釈が可能であり、パーサルファイドなど特異的な分子種に特化した評価系を活用した評価や、腸内細菌の網羅的解析も実施することができます。これらの手法を組み合わせることにより、MASHのPDマーカー探索並びに治療薬開発における従来にはない新しい研究アプローチを提案することが可能です。MASH以外の疾患も含め、是非、当社にご相談ください。
関連サービス:
多層オミックス解析による臨床応用可能なバイオマーカー探索
松本 光晴 Pharmacology Business Unit
薬学修士。1995年東北大学大学院薬学研究科修了後、武田薬品工業に入社。主に抗血小板薬、抗糖尿病薬の創薬研究に従事。2017年、Axcelead Drug Discovery Partners株式会社に転籍後は主に非アルコール脂肪性肝炎などの肝疾患、並びに腎疾患の薬効薬理試験に従事。