2024年11月6日

DMPK BU 林研究員の共著論文が、「BPB Reports」に掲載されました

Phosphorylation Dynamics and Kinase Interaction in mRNA Transcription-Associated Kinases: Autophosphorylation of CDK12 and its Modulation by CDK7 and CDK9

Published Date : October 18, 2024
navigate_next詳細はこちらから

論文の概要:
タンパク質リン酸化によるシグナル伝達経路は、細胞外の刺激を細胞に伝達することにより、増殖、分化、生存等の細胞機能において重要な役割を果たしています。また、タンパク質リン酸化修飾は、癌等の疾病原因と深く関わり、CDKの異常な活性が癌細胞の増殖や生存に寄与することから、各転写CDKを標的とした癌治療法の開発も進んでいます。転写活性で不可欠な役割を果たす、RNAポリメラーゼII(Pol II)のC末端ドメイン(CTD)と、それらをリン酸化する転写関連キナーゼCDK7、CDK9、およびCDK12間の分子相互作用は、これまでに研究されてきましたが、CDK間の相互作用は十分に研究されていませんでした。本論文では、リン酸化プロテオーム解析により、CDK12リン酸化がCDK7とCDK9によって協調的に活性化されること、およびCDK12リン酸化部位とその機能に及ぼす生物学的効果について明らかにしました。CDK間の相互作用を解明することで、これらを標的とした新薬の開発に役立つことが期待されます。

【Axcelead DDPのソリューション】
リン酸化は、タンパク質の生理機能を調整する重要な翻訳後修飾です。一方で、リン酸化は、極微量でMS解析の難度が高いこと、オミクス分析で得られた多数分子解釈の難度が高いことから手軽に実施できる技術ではありません。Axcelead DDPには、最適化したリン酸化分子濃縮法を始め、キナーゼ予測や相互作用解析等を駆使して、タンパク質リン酸化解析を実施できる高度なノウハウ・経験・知識があります。これらを活用することにより、創薬研究の加速・成功率向上に欠かせないバイオマーカーについても、他のオミクス層では見つからない、独自のマーカーを見出せる可能性があります。MOA探索、POC取得等でお困りの方、本技術を活用し、創薬研究を加速させたい方は、是非、当社にご相談ください。

林 浩三  DMPK BU Omics & Bioinformatics G 所属
1990年武田薬品工業入社。天然物化学を経て、2002年に同社初のプロテオミクスプラットフォームを構築。Axcelead Drug Discovery Partners株式会社でもプロテオミクス業務を担当。