2019年10月9日

Axceleadと慶應義塾大学医学部、ヒト組織を受け入れる 免疫不全ブタモデルのプロトコールを公開

-再生医療製品開発促進に貢献-

慶應義塾大学医学部の小林英司特任教授とAxcelead Drug Discovery Partners株式会社(所在地:神奈川県藤沢市、代表取締役社長:池浦 義典、以下「Axcelead」) は共同で、「ヒト組織を受け入れる免疫不全ブタモデル」作成の手順について、安定したモデル作成のための免疫抑制剤調節法とともに発表しました。

免疫抑制剤の投与に加え、免疫細胞の産生・成熟に重要な臓器である胸腺と脾臓を摘出することで作成する「ヒト組織を受け入れる免疫不全ブタモデル」は小林特任教授らが開発し、2019年5月に『Nature Communications』で公表されています。
今回、本免疫不全ブタモデルの詳細な作成手順に加え、ブタの個体ごとに投与後の反応が異なる免疫抑制剤の投与量調節法および、実験に用いられるさまざまな品種のブタにおける免疫抑制療法に関する情報を併せて公開いたしました。

再生医療研究の分野では、実際にヒト細胞でつくられた再生臓器をヒトへ移植する前に、臨床と同じ手法での介入が可能な大型動物による有効性・安全性の検証が望まれています。一方、ヒトと大きさが近いブタにヒト細胞由来の再生臓器を移植した場合、異種移植によって生じる免疫応答の問題により、本免疫不全ブタモデル開発以前は、ヒト細胞由来再生医療等製品のブタでの安全性・有効性の検証は困難と考えられていました。

今回、小林特任教授とAxceleadら研究グループは、外科的手法による免疫不全ブタモデル作成の手順を解説図と動画付きで掲載し、免疫抑制剤投与時のブタの管理法等の詳細な情報を公開しました。この情報により、多くの研究者、企業が「ヒト組織を受け入れる免疫不全ブタモデル」によるヒト細胞由来再生医療等製品の有効性・安全性の検討が可能となり、再生医療製品の開発促進につながることが期待されます。

本成果は、2019年 10 月3日、『Nature Research Protocol Exchange』(オンライン版)に掲載されました。

【Nature Research Protocol Exchange掲載情報】

英文タイトル:Surgically produced, controllable immunocompromised pigs
タイトル和訳:外科的手法で免疫不全状態が調整できるブタモデルの作出方法
著者名:小林英司、牧敏之、井垣啓子、絵野沢伸
URL:https://protocolexchange.researchsquare.com/article/4def3795-07d9-4280-a095-645a2af05c2c/v1

■本件に関するお問い合わせは、下記にお願いいたします。

【Axcelead Drug Discovery Partners株式会社】
事業推進
住所: 神奈川県藤沢市村岡東二丁目26番地の1
電話: 0466-32-4500
E-mail: info@axcelead.com
URL: https://www.axcelead.com