2024年12月11日、京都大学 国際科学イノベーション棟 シンポジウムホールで開催されるデジタル製剤学FG 第2回シンポジウムにてDigital Unitの半田研究員がIn-house大規模実験データを用いたAIプラットフォーム:Beyond A Platformについて紹介します。本学会への参加を予定されている方は、是非発表をご覧ください。
【学会概要】
デジタル製剤学FG 第2回シンポジウム
【口頭発表】
日時:2024年12月11日(水) 14:15-15:35
場所: 京都大学 国際科学イノベーション棟 シンポジウムホール
タイトル:「In-house大規模実験データを用いたAIプラットフォームの開発と展望:Beyond A Platform」
【発表概要】
近年のAI開発は様々な分野で成功を収めています。この内の一つとして、創薬研究への機械学習適用はとても有望な分野であり、特に、固定の実験プロトコルで運用される薬物動態に関するin vitro実験は、機械学習で利用できるデータが蓄積しやすい性質を持つため、この予測を目的としたソフトウェア開発を進める例が多く見られます。しかし、本当に創薬研究に役立つ予測モデルとは、一体どのようなものでしょうか?技術面の課題として、モデル作成に用いられるデータ数、アルゴリズム、モデル適用範囲などがあり、運用面の課題としては、どのような実験項目の予測がどういったタイミングで実際に必要とされるか、が挙げられます。我々はAIプラットフォーム(Beyond A Platform)の継続的開発と現場への適用を通じてこれらの課題を解決する試みを行っています。本発表では、この開発で得られた知見について紹介いたします。
【Axcelead DDPのソリューション】
Axcelead DDPでは、創薬のさらなる効率化と成功確率の向上を目指し、最先端の機械学習技術に通じたデータサイエンティストと、創薬研究に豊富な知識と経験を持つ研究者が密に協力し合い、AI開発を進めています。
Axcelead DDPのAIは、以下の点に特徴があります。
①武田薬品で長年に亘って蓄積された高品質かつ大規模の創薬データを活用していること
②計算アルゴリズムに、より複雑で高度な計算や解析が可能なグラフニューラルネットワークやTransformerを用いた基盤モデルを採用していること
③ユーザーフレンドリーな適用範囲や予測誤差の推定機能をシステムに実装していること
これにより、信頼性が高く、より実務で使いやすい予測モデルをお客様に提供することができます。現在、ADME予測モデルをお客様に提供し、化合物最適化を大幅に効率化するサービスを提供していますが、今後は活性や毒性に関しても予測モデル開発を進めていきます。AI創薬をご検討の方は、ぜひ当社にご相談ください。
半田 耕一 Digital Unit
2007年東京大学大学院新領域創成科学研究科終了後、富山化学工業、北里大学、富士フイルム、帝人ファーマ、英国ケンブリッジ大学にて薬物動態研究及び創薬計算科学に従事。2024年4月に帝人ファーマからAxcelead TWPに転籍。腎疾患を中心とした薬物動態プロジェクトを担当するとともに、eADMEスクリーニング機械学習モデルや化合物生成モデル構築に携わる。2024年9月より現職。