慢性腎臓病は高齢化社会において患者数が増加しており、最終的には透析や循環器病のリスク上昇をもたらすため薬剤の開発が期待されています。近年、幾つかの薬剤が承認されましたが根治は難しく、アンメットメディカルニーズの高い疾患です。慢性腎臓病の治療薬の開発の難しさの原因の1つが、ヒトへの外挿性の高い動物モデルが無いことが挙げられます。Axcel eadは、慢性腎臓病患者と類似した病態を示すオリジナルの動物モデル、AXCCマウスとSHCラットを所有しています。これらを用いてin vivoスクリーニングによる化合物選出や薬効精査、さらにはバイオマーカー探索等を行い、お客様の創薬をサポートします。
AXCCマウス
Axcelead DDP-generated Col4a5 R471X-Chronic kidney disease model mouse
- Alport症候群患者由来のCol4a5 R471X変異を挿入
- 糸球体基底膜成分の異常を原因として若週齢(5週齢~)からアルブミン尿を呈し、二次的な尿細管間質障害を経て線維化と腎機能(糸球体濾過量)低下に至り、最終的には腎不全死(25週齢~)
- 臨床で使用されているアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の薬効を安定して検出
- ばらつきが少なく病態や薬効の再現性が高い
- Alport症候群および慢性腎臓病のモデルとして使用可能
SHCラット(Imaiラット)
Spontaneously hypercholesterolemic rat
- 若週齢から高コレステロール血症、高トリグリセリド血症、高血圧を自然発症
- アルブミン尿を呈し、線維化と腎機能(糸球体濾過量)低下に至り、最終的には腎不全死(30週齢~)。糸球体硬化が特徴
- 臨床で使用されているアンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)の薬効を安定して検出
- ばらつきが少なく病態や薬効の再現性が高い
- 慢性腎臓病のモデルとして使用可能
AXCCマウスおよびSHCラットの基礎データ
- 体重、尿量、腎重量、ヘマトクリット
- 尿中パラメーター(アルブミン、蛋白、クレアチニン、NGAL、カルシウム、リン, etc.)
- 血漿中パラメーター(クレアチニン、尿素窒素、コレステロール、TBARS、Cystatin C、カルシウム、リン, etc.)
- 糸球体濾過量
- 腎臓中のコラーゲン含量
- 腎臓中の各種mRNA発現(線維化、炎症、間質障害、ネフリン/ポドシン、酸化ストレス, etc.)
- 病理組織学的評価
- 空間的トランスクリプトミクス
- 腎排泄型、胆汁排泄型薬剤のPKプロファイル
※片方のモデルでしか取得していない項目もあります
- Establishment of X-linked Alport syndrome model mice with a Col4a5 R471X mutation (Biochem Biophys Rep. 2018;17:81-86.)
- Bidirectional, non-necrotizing glomerular crescents are the critical pathology in X-linked Alport syndrome mouse model harboring nonsense mutation of human COL4A5 (Sci Rep. 2020;10(1):18891